ダイエットと健康(その54)
にがりで痩せる?
最近、テレビや雑誌などでダイエット効果があるとして、大人気だそうです。
にがり。
にがりの主成分は塩化マグネシウム。豆腐を作る凝固剤などとして使われてきました。
商品としての豆腐をみると、「天然にがり使用」などとかかれていたりしますが、天然っていうのはどういうことかと言いますと、濃縮した海水から塩を除いた後の残留物です、ってことです。
海水から取っているから天然ってわけですね。
しかし近年は海水の汚染も激しく、地域差はあるでしょうが残留物には食品としては危険な微量物が含まれている可能性も無視できません。
まず、”天然”だから安心、って観念を捨てましょう。これが1点。
主成分の塩化マグネシウムがどうやってダイエットに貢献しているのか?
「糖の吸収を遅らせる」「脂肪の吸収をブロックする」「糖質代謝を促進する」などとダイエット効果を紹介する例が目立ちます。
それに確たる根拠や文献があればいいんですが、実際問題、探してみても見つかりません。
だからこれらの説を否定するわけじゃありませんが、私には少なくとも肯定できません。
マグネシウムってのは軽金属の一種なのですが、医薬品としては下剤として使われていて、食品として摂取しても大量に及んだ場合、下痢することがあるんじゃないのかな、と思います。
下痢してしまうってことは、腸で吸収しなければいけないビタミンや他のミネラルなども吸収できなくなってしまうということです。
そうするといつぞや(33回目で)指摘したような、健康に害を及ぼすダイエットになってしまいます。
ダイエットとは健康があってはじめて成り立つものです。そこを履き違えないように、ブームに易々と乗せられないように注意しましょう。
なお、マグネシウムの医薬品分野での利用としては、(乳幼児のための)骨や歯の形成のための補助食品、血液循環を正常に保つ薬、などもあるそうです。
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