JR東日本、四国、東海、西日本と続いて普通回数乗車券を9月末で廃止するといっていたけど、JR北海道も11月末で廃止することが発表された。これで、JR全社から回数券が消えてしまうことになる。 コロナのせい??正直分からん。
シドニーの話をすると、シドニーの中心部(セントラル駅)から「通勤」電車で一本で行ける範囲内って、全部ICカード対応ですからね。一番遠いニューカッスルまで約3時間。こんな時間に動いてるの?って、動いてます。終電とか終バスって概念がないですからね。24時間動いていてこその基幹交通。もちろん、全部の路線がそうってわけじゃなくて、基幹路線は24時間運行。残りは、朝から夕ラッシュ後、路線にもよりますがだいたい19〜22時までの運転です。
紙全盛だったシドニーで、ICの普及率がまだ10%台だったころ、『全区域を3年以内にICカード化する』っていうのを州政府が宣言したときは、「はぁ?あほやろ?」って声が大勢だった。でも、実際にそうなってしまいましたからね。200km圏の鉄道バス、全部をICカード化って、無理がありすぎだろ。。。フェリーは少ないからともかくね。と思っていたけど、目標を前倒しで達成。予算を取ったのもそうだけど、やるときはやるんです。ロールアウト作戦って言われたものです。
日本のICカードはどう考えてもシドニー以下。そんな都市圏で紙の乗車券を全廃するって、無理がありすぎるでしょう。まあ今回は普通回数乗車券だけですが、ゆくゆくは長距離券も??とか考えると、色々と無理があるんだよね。
・ICカード圏の伸び率がこの先到底見込めない
・割引率が不十分
・JR各社間をまたぐ場合の扱い(とくに熱海)
この3つが問題だと思うんですよね。
1番目ですが、いまICカードが通っていない・使えていないエリアは当然ながらいっぱいあって、それらのエリアではただの負担増。ICカード圏内であれば各社のポイントサービスでケアされるケースもあるようですが、ごく一部だし、付与計算期間が短くなっていて不合理です。
2番目ですが、シドニーって、ICカードにしたときに2割引にしたんだよね。そうやって、ICカードへの移行を後押しした。でも、日本だと大阪地下鉄ぐらいだと思うんだよね(一時は2割引き。現在は1割引き)。ICカードと紙を比較して同じ運賃じゃ、割に合いません。しかも日本のICカードはデポジット負担でしょ。いや、いくらなんでもおかしくね??と思うんですけど。
3番目ですが、国鉄が民営化されて、分社化されたデメリットを利用者が受けないように、という話だったけど、企画乗車券の範囲とか、ICカードが使えないとか、いろんなデメリットはあるわけです。実際の話。例えば長野から富士見までは割引でいけるのに飯田や木曽福島へは企画乗車券がなかったり。辰野・塩尻より先はJR東海ですからね。小田原から三島とか沼津へと通っている人たち(逆もあり)はどうすればいいの?いまICカードを持っていても、結局、毎回紙の乗車券を買わないといけない。ICが使えないから仕方なく回数乗車券を買っているのに、問答無用で廃止。ちょっと意味が分からない。ポイントサービスで還元っていうのなら、各社共通のポイントサービスでも作らないと話にならない。JR東海のことは知らん?でもそれって、国鉄分割民営化のときの話と違いますよね。鉄道運賃を値上げするときに運輸省は終電繰り下げを求めたような話といい、昔の話だからってなかったことにされてるよね??
ほかにも、熱海またぎに比べると数は少ないけど大垣から近江八幡とか、岡山から高松とか、そういう需要は絶対にあるよね。ICカードが使えるエリアでもこれだもの。使えないエリア(例えば木曽福島=松本)とかも含めたら、割を食う利用者って相当いると思う。
新型コロナウイルスの影響で鉄道会社の収支が厳しい状況はわかる。株主通信とか見ても、ものすごい金額の赤字が書かれているしね。これ、決算書くのは大変だったろうなぁ・・・。って思う。でも、そのことと、会社発足時(前)の話を反故にするというのは意味が違うから。JRの分割の仕方が失敗だったから、NTTは東西で2分割、高速道路は3分割されたの、知ってる??じゃあJRも今からでも再編しなおせよって思うんですけど。インフラとしての役割と利潤の追求の両方をJRに求めるのは無理がある。利用者としては、ただ、発足時の約束ぐらいは守ってもらいたい。そんな気持ち。